幕張、名古屋、大阪と3つの会場を約半年かけて回ってきた7th LIVE TOUR。
この公演の中、2つの会場で2018年の6thLIVEで追加された新人アイドルがユニットとしてそのパフォーマンスを披露した。
久川凪、久川颯による「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」
黒埼ちとせ、白雪千夜による「Fascinate」
の2つだ。
同じように披露したこのふたつのユニット。名前は「mirror」と「Velvet Rose」
僕が思うにこのふたつのユニットの役割は全く違ったように感じた。
本稿では曲目と披露からその役割を仮説建て、僕の見解を話そうと思う。
★本稿は個人の見解を前提としております。見解の相違などが苦手な方はブラウザバックを推奨しております。
★幕張公演とmirror
久川颯には夢があった。
都会でアイドルとして売れっ子になること。
そんな彼女の行動原理には「なりたいアイドル」が常に尾を引く。
同じく姉妹として彼女を支え、自らも何か意味を見つける為に颯とともにアイドルになる決意をする凪。
見た目以上に中身が真逆の2人に「鏡」の意味を持つこのユニット名を付けた運営は天才か?天才だ。
さて、幕張公演はいうまでもなく彼女達が披露した楽曲として真っ先に上がるのは「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」だろう。
アイドルマスターでは大崎姉妹、亜美真美、Wなどの例に漏れず、双子はかなりの人気を誇る。特にシンデレラガールズでは待ち続けられていた双子だ。
そのルックスでかたや14歳組最高級のスタイルにかたや掴みどころがないが故にTwitter人ウケしやすい性格。言ってしまえば久川姉妹は2019年アイドルマスターの中心にいたと言っても過言では無いだろう。そんな彼女達が歌うO-Ku-Ri-Mo-No Sunday!はコール箇所も最近の曲の中でも一際多く、特に凪パートは歌というよりはラップに近い。果たしてその人気は総選挙の圏内に悠々とランクインしてくるほどだ。
そんな彼女達に幕張公演で求められていたものはなんだろうか。
★幕張公演の目指す「comical」
まず、久川姉妹は幕張で初ライブをすることに大きな価値があったと僕は考えている。
もちろん大阪や名古屋も都会だし、言ってしまえば都心部に近いという意味では、幕張メッセは最近の大都会東京からは遠い。そんな彼女達を幕張に置く理由。
その理由としてシンデレラガールを考えた。
わかりやすく見えるトップアイドルはシンデレラガールではないだろうか。シンデレラガールはシンデレラガールズのアイドルのほぼ全てが目指すアイドルの栄冠である。そんな栄冠を持つアイドルをメディアが取り上げないだろうか?そんなはずはない。アイマス世界軸を全てひとつとしても、シンデレラガール総選挙はシンデレラガールズの世界線では最も重要視されるイベントになるはずだ。当然、普通の女の子だった久川颯もテレビに流れるシンデレラガールを目撃したはずだ。
そんな中コミカルポップス公演は幕張メッセで行われた。そして幕張メッセの所在地は千葉県である。そしてこの幕張メッセはこの7thLIVEの3つの会場の中で、日本の最都会である東京に最も近い。
7th、8thと、シンデレラガールは安部菜々、本田未央と続き、前者に関しては濁されてはいるが、あらゆる情報から千葉県であることがほぼ特定されている。
「トップアイドル」にこだわる久川颯が事務所に所属するとき、そのトップの基準をどこに置くだろうか?
そんな彼女が続けてシンデレラガールを冠するアイドルの出身地である千葉県で初舞台に立つ。
偶然だろうか?僕はそうは思わない。
★幕張公演で、O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!と久川姉妹に託された「想い」
そもそも久川姉妹は2019.4に登場したアイドルだ。前述の黒埼ちとせと白雪千夜よりも2ヶ月ほど遅い。そんな彼女たちを先に登場した2人よりも先を走らせた理由は公演のテーマが由来していることは想像に難しくない。
O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!や久川颯と久川凪をコミカル、ダンス、ロックに当てはめるならまず間違いなくコミカルだろう。そしてそれは特に久川凪が最も大きく該当する。
そして同曲、O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!はどちらかと言えば久川凪の良さが光る楽曲である。
彼女達に求められた役割は「7thLIVEを盛り上げる」こと。そこにあくまで完成度は問わない。
筆者はどちらかと言えば久川姉妹推しだが、感動や、曲としての完成度や披露の力の強さの話でいえば、披露順や生バンドを考慮に入れてもFascinateは一際異彩を放っていた。
それにはもちろん魅せる声優さんの演技力や才能の面も大きいだろう。しかしながらFascinateはO-Ku-Ri-Mo-No Sunday!に比べて絶対的に勝っているところがある。
Fascinateは2月。O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!は9月。
練習期間が半年近く長いFascinateは、練習という面だけでなく時間的な有利性がO-Ku-Ri-Mo-No Sunday!に比べてある。
実際の練習期間がどれくらいかはこちらからは測れないが、演者が曲に触れ、アイドルに触れる時間は長ければ長いほど、それは完成度に比例する。
毎年披露される曲がクオリティを上げてくるのは声優さんの曲にかける感情が深くなるからということである。
O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!の初登場は4月。披露からだけを計算しても約5ヶ月の練習期間。一方、2月のFascinateとは7ヶ月程、披露に対しては半年と1年の差がある。
そして、O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!を披露した幕張公演には特に大きなイレギュラーがあった。
セクシーギャルズによる「Gossip Club」だ。
5th幕張公演から待たれていたセクシーギャルズの楽曲。そしてなにより、7thLIVEを伝説を残すこととなる「ユニット楽曲サプライズ」の端を発することとなったのがこのGossip Clubだった。
全公演のサプライズの中でも最も印象に残ってるプロデューサーは多いのではないだろうか?
もちろん、デア・アウローラやフォーリンシーサイド、ニュージェネレーション、Spin-off!のサプライズ楽曲も強く印象付いているが、やはり1番初めのサプライズは強く焼き付いている人も多いだろう。
その点からもO-Ku-Ri-Mo-No Sunday!は言ってしまうと幕張公演の中心ではあったが、最中心では無かったと僕は考えている。
★mirrorとKawaii make MY day!
そして椎名法子、中野有香とのKawaii make MY day!だ。
既存の曲の中で久川姉妹に最もあった曲と言っても過言では無いだろう。水本ゆかりの代わりと言う立場上だが、幕張のKawaii make MY day!は完全に別物だった。
田舎からでてきた女の子が、都会の女の子のオシャレな姿に憧れる。という歌詞を徳島から出てきた2人が都会の売れっ子アイドルの2人と歌うことは大きな価値を持ち、アイドル久川颯と久川凪のこれからの一歩先を見ることが出来た。そんな意味でも大きな成長を遂げた久川姉妹。
そんな久川姉妹の7thLIVEでの役割はいわば「引き立て役」に近いものであったと私は考える。ただ、それはただの引き立て役ではない。新人アイドルが、歴史あるアイドルマスターシンデレラガールズの周年ライブのスタートに華を添えるパフォーマンスを求められるこれからを決める重大な役割。
それは1年目のアイドルにしては責任重大で、2人で一緒、それ以外の世界を少ししか知らない2人にとってはそれは何よりも大きい、そして事務所全てを背負った重要な仕事だ。
当然それは久川颯と久川凪のCVを務める長江里加さんと立花日菜さんにも同様にのしかかる。
そんなパフォーマンスを支えたのは同じくアイドルマスターシンデレラガールズの姉妹である城ヶ崎姉妹だった。
久川姉妹と城ヶ崎姉妹の関係性は公演まで語られることは無かったが、まさかの城ヶ崎姉妹のそれぞれの持ち曲のソロで歌唱。そして公演後ユニット名が語られ、「ワンダー☆シスターズ」と定義されることになる。
幕張公演の目指すコミカルは久川姉妹だけではないが、ナゴヤドーム公演のセンターステージオンリーの公演や、大阪公演の生バンドなど、これからしたことの無いことにチャレンジするシンデレラガールズの行く末を決めるひとつの指針になっていたのではないだろうか。
それを託されたアイドルのうちの2人が久川颯と久川凪だった。
★論じるより魅せる、パフォーマンスで語る大阪公演の「Rock」
さて、Fascinateばかり話したが、大阪公演のテーマ曲であるUnlock Starbeatは白雪千夜が正規メンバーに含まれている。この枠は幕張公演のComic Cosmicでは颯が務めた枠だ。
正直なところ、Comic Cosmicが颯だった時、僕はこの枠は黒埼ちとせで予想を立てていた。その大きな理由として、大阪公演の残りのメンバーと千夜とでは全くコミュの想像がつかなかったからだ。
そんな考えを払拭したのが「Secret Daybreak」だった。
いやふざけてないからマジで。
千夜の尖った感じ、そう使ってくるか…………と普通に脱帽しました。
そもそも白雪千夜は、ちとせをお嬢様と呼ぶ主従関係に近いもの。そんな彼女が別のアイドルと組む、ちとせがいない状況でアイドルをする理由があるのか?僕はそう考えていました。
完全に杞憂に終わりました。
ちとせと一緒でなくとも、単体で輝くアイドル性。コミカルなコミュもこなし、ちとせと別でも、常にちとせを想っている。そんな関係性は、まさに久川姉妹とどこか似ているようにすら感じさせられました。
そんな彼女の意識を変えたものはなんだろうか?
まずこの曲と企画は真っ先に上がるだろう。
オウムアムアに幸運をから始まるspin-off!はそこまでFascinateとTRUE COLORSしか曲を持たない黒埼ちとせを抜擢し、待望の的場梨沙のボイス実装とともに、シンデレラガールズの中でも人気高い神谷奈緒、一ノ瀬志希、佐藤心とともに歌う楽曲を引っさげ、名古屋で披露された企画だ。なんとユニット曲のFascinateの初披露よりも先にアニメ化するという前代未聞のレベルに到達したちとせ。近年のシンデレラガールズの企画の中でもバチバチに強い企画の中、常に行動原理にちとせが伴う白雪千夜の中にアイドルというイノベーションはなかっただろうか?
その答えはきっとGlowing Rock!!の中にあったのだろう。
★下馬評をぶち壊す。5万人を眷属にしたFascinate。
さて、mirrorとVelvet Roseを比較する時、避けて通れないのは事前の期待値だ。
特に糾弾や批判をするつもりでは無いが、新規アイドルに加えてスタートからのボイス実装、さらに新曲はシンデレラガールズの歴史の中では一悶着あった事案であったことは隠すことはできない。
特に万人受けする訳では無いこの2人の醸し出すオーラと、総選挙を乗り越えたアイドルに与えられるボイスという特権を初見で超えてきたこと。実際にマイナスな気持ちを吐露する人が相次いだ。
しかしながら同待遇でありながらも久川姉妹にはその批判は少なかった。何故だろうか?
あらゆる要因の中で考えられる要因は主に2つ。
- 久川姉妹が人受けの良い設定とビジュアルであったこと。
- 好待遇実装に慣れてしまったこと。
これが大きな理由だろう。
1つめは久川姉妹は前述の通り、双子というアイドルマスターだけではなく、2次元キャラクターでも特に人気の高いベスト設定を持っていたことに加えて、性格が現代のオタク受けするキャラを持つ凪、プロポーションが良い颯とウケが良かったことが直結している。
もちろんプロポーションではちとちよも負けては無いが、2人の性格は特に好き嫌いが割れやすいことの要因。
そして2つめの理由は、黒埼ちとせと白雪千夜で好待遇実装のインパクトに慣れてしまい、2度目となる久川姉妹の実装ではその話題に触れる人が少なかったことが要因の一つと考えられる。
また、同時に4月はシンデレラガール総選挙が開始直前であり、いずれの担当P陣営も運営批判や炎上となりうる案件への言及を避けた結果として、登場の際の両ユニットへの反応が大きく異なっていたと考えられる。
さて話を本筋に戻すが、結果としてその下馬評や期待に大きな差を生んでしまったふたつのユニット。
しかし、蓋を開けてみればむしろパフォーマンスの演出性という観点から見れば、Fascinateは5万人を魅力し、シンデレラガールズの7thLIVE、その千秋楽に相応しいということさえ生ぬるい程の圧倒的なパフォーマンスを見せ付け、彼女達を担当に追加する声は2月を終える今日になっても未だ止むことはない。
★シナリオとも取れるVelvet Roseの覚醒
Velvet Roseの披露したFascinate。そしてmirrorのO-Ku-Ri-Mo-No Sunday!。
当公演に行った人は覚えているだろうか?
幕張公演のイメージカラーは久川姉妹に寄っており
大阪公演のイメージカラーはちとちよに寄っている。
ステージの装飾が、ハートや星をモチーフにした幕張公演。
対してレース調の幕や、お城のような階段であしらわれた大阪公演。
いわば幕張公演と大阪公演はアイドル自身にとっても、担当プロデューサーにとっても、運営陣にとっても、新人アイドルの評価基準の総決算のひとつであったとも取れる。
そうした時、皆さんはこう思うのではないだろうか?
「7thLIVEを終えた今、久川姉妹とVelvet Rose、どちらの方がいいと言い切ることはできない。」
と。
ツアーライブにとって千秋楽と始まりは大きな意味を持つ。その2つに的確にmirrorとVelvet Roseをキャスティングしたシンデレラガールズ運営。
もし、ここまで全て
オウムアムアとunlockとFascinate。
この全てがシナリオ通りに進んでいたとしたら。
そしてこのVelvet Roseの覚醒まで予測していたとしたら。
★生存本能とヴァルキュリア
さて、mirrorのKawaii make MY day!と対称的なVelvet Roseが歌った「生存本能ヴァルキュリア」。
オリジナルメンバーは新田美波と橘ありす。3名を欠くオリジナルメンバー。普通なら2人以上かけるとユニット曲は難しくなりやすい。そんな中、満を持して披露されたこの楽曲。
「本能」や「もっと強く」
「生き残れ」、「この手でつかみたい未来がある」
と言った歌詞は2人を強く思わせ、Kawaii make MY day!の時にも言ったが「天才か?」の声が自分の中で鳴り止まなかった。
そんなパフォーマンスの質という点でふたつのユニットは対称的な道を辿った。
「歴史」を示す書を司る本の申し子鷺沢文香。
絶対不可侵ともとれる「空間」を作り出す高森藍子。
「一瞬」の美しさに全てをかける花を愛する相葉夕美。
時間と空間。
Velvet Roseの2人がこの楽曲で求めれたのはこの表現。
その表現がどれ程のものだったか。あの地にいた全てのプロデューサーがその答えを目撃したのではないだろうか?
★Velvet Roseに与えられた役割
もはやこれは想像でしかないが、2人に与えられた役割は「新時代を牽引する」事だったのではないだろうか。僕はそう思って疑わない。
もちろん全てのアイドルがこのシンデレラガールズを引っ張るアイドルであることは言うまでもないが、たくさんの気持ちを一心に受け、パフォーマンスに全てをかけた2人が7thLIVEの最後に相応しかったことは間違いない。
千秋楽は最も印象に残りやすい。そしてRockは最もインパクトがある公演テーマだ。
新時代の7人のアイドル、それぞれに役割があり、それぞれが適材適所で輝きを見せた2019年。
話題性をもち、またアイドルでありながら、自身も応援する側の立場を理解する夢見りあむ。
新時代の正統派成長アイドルとして、新人アイドルの先頭を切った辻野あかり。
現代の子どもと大人、両方の感覚を取り入れたあらたな切り口、砂塚あきら。
特定層を虜にする主従関係を描き、過去を紐解く物語を生み出す白雪千夜と黒埼ちとせ。
2人前提の双子の中で逆にその在り方をを別々と定義するためにアイドルを意義する久川颯と久川凪。
その中でも「Velvet Rose」と「mirror」は、新規実装の時点で曲を持つという高待遇の反面、2019年度の「アイドルマスターシンデレラガールズ」を背負い、2019年のシンデレラガールズの成果が問われたといって遜色がない。
★駆け抜ける新アイドル。支える先輩。
そんな彼女たちが背負い、走り抜けた「7th LIVE」。
その3公演は、特殊な形式で行われた。
今までLIVE中盤以降に使われる、人気の高い曲が冒頭付近に使われるという特殊な形式だった。
ハイファイ☆デイズ
Tulip
ガールズインザフロンティア
の3曲は「ここで!?」と思った人は多い筈だ。そんな3曲のセットリスト順を思い出してみよう。
幕張公演
1 Vast World
2 Comic Cosmic
3 ハイファイ☆デイズ
名古屋公演
1 ミラーボール・ラブ
2 Tulip
3(1) ミツボシ -Happily Ever After Remix-
3(2) Dear my Dreamers
大阪公演
1 ガールズ・イン・ザ・フロンティア
2 Unlock Starbeat
3 Lunatic Show
実は名古屋だけが特殊な構成になっている。名古屋は最初の曲が公演曲になっているのに対して、幕張、大阪は最初の曲が公演楽曲ではないという構成になっている。
もちろん、スタートの公演と千秋楽公演はインパクトを求めるために既存の強い楽曲から始める意図があったのかもしれない。
しかし、考えてみると名古屋だけはゲストという枠を除けば新アイドルがいない公演だった。逆に言えば、ミラーボール・ラブだけは新アイドルがオリジナルメンバーにいないということになる。
これは名古屋のキャスティング事情にもよるのだろうが、ライブをオリジナルメンバーで仮定した時、幕張と大阪は必ず1曲目を新アイドルが歌わない楽曲を用いている。
★絶対に崩れない。魅せ続ける三角形。
後輩である新アイドルが背負う重圧を支える先輩達。
そして
誰よりも長く、強く背負い続けた「アイドル」。
全公演を通し、更に彼女達の実装が告知された2018年からずっと背負い続けた渋谷凛が見せた2度のTrinity Field。
その3人のそれぞれに1つの公演に2つのソロ曲。初挑戦のアコースティック。サプライズの新曲披露。
シンデレラガールズ屈指の人気ユニットとして、ひとりひとりが、ひとつひとつを支え、強いアイドルを魅せ続けたTriad Primus。
★進み続けるシンデレラガールズ
彼女達が彼女達たる所以を遺憾無く発揮した7th LIVEはまさにこれまでのシンデレラガールズの歴史大きく塗り替え、シンデレラガールズの更なる飛躍を期待させる、そんなシンデレラガールズを今後も見続けて行きたいという言葉を総括に筆を置こうと思う。